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販売されている名簿を買ったり、もしくは名簿業者に買い取ってもらったりすることは、個人情報保護法の施行により違法なものであるとの認識が一般であるが、実はそうではない。

名簿は「販売禁制品」ではなく、法的に売買が禁止されているものでもないのである。
また個人情報保護法は23条第2項で、オプトアウト、すなわち本人からの削除の申し出があった場合必ず削除することを条件として、個人情報取扱事業者が本人の同意なく個人情報を第三者に提供しても良い旨、つまり個人情報を販売しても良い旨を謳っている。


詳細は経済産業省管轄の「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン(告示)」の40~41頁目を読むと分かりやすい。
(http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/privacy/080229kaisei-guideline.pdf)
(↑最新のものは平成20年2月に作成されたもの。内閣府のホームページからpdfで閲覧できる。)

※上記ガイドラインの概要も経済産業省から発表されている。33頁の「オプトアウト」にも同様の説明がある。
(http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/privacy/080229guidline-gaiyou.pdf)

※「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」等に関するQ&AのNo,30番の記事には、「名簿業者から個人の名簿を購入することは禁止されていますか。」との問いに「購入すること自体が禁止されているわけではありません。」と明記されている。
(http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/privacy/q&a.htm)

※弁護士である牧野二郎氏も、自身のブログ「間違いだらけの個人情報保護」で、名簿の売買、名簿の事業活動利用に対し、適法であると回答している。
(http://internet.impress.co.jp/kojinjohoblog/archives/2005/10/post_3.html)

では名簿業者はどのようにして名簿を仕入れているのかということだが、同窓会名簿や社員名簿は殆どがその同窓生や社員の持込によるものだ。

名簿の保持者から騙し取ったり、窃取するなど違法な手段で取得した場合には違法取得となるが、卒業生から母校の名簿売ってもらったり、社員から属する会社の社員名簿を売ってもらったりして取得することに違法性は無いのである。

一般の古書などを古本屋に売ると一冊数十円~数百円が関の山だが、名簿は新しい物であれば一冊数万円で買い取ってもらえるのだ。


このように売られた名簿は名簿業者を介し、主に各企業のテレマーケティングやダイレクトメール資料として用いられる。ダイレクトマーケティングとも呼ばれるこの手法は、見込み客の絞込みができる分、電話帳などを用いて無作為に営業をかけるより遥かに効率的な為、あらゆる業界で利用されている。

他にも、警察が捜査資料として利用したり、マスコミが取材資料として用いたり、探偵が人探しに用いたり、人材斡旋業者がヘッドハンティングのターゲット資料として用いたりと、各名簿業者の定める利用目的に応じてその用途は枚挙に遑がない。

そういった意味で、ともすればダーティーなイメージばかりが先行しがちな名簿利用も、社会的な観点から冷静に判ずれば重要な側面を担っているといえる。


そのため個人情報保護法も、その第一章の総則(法律の目的)で、「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする」と謳っているのである。
つまり個人情報保護法は、一方的に個人情報の保護のみを絶対視した法律ではなく、個人情報を利用することの有用性も正面から認めた上で、個人の権利利益の保護とのバランスをとることを目的としている法律なのだ。

実際個人情報保護法には、第30条に見られるように、個人情報取扱事業者が本人から保有個人データの開示を求められた場合、その措置の実施に対し手数料を定め徴収することができるという、個人情報取扱事業者に配慮した条項も設けられている。


法律施行以前と変わらず名簿業者から名簿を購入する者が後を絶たない現状を鑑みても、その有用性の度合はもはや社会のインフラといっても過言ではない水準に達しているのである。


だが、では名簿業者を介し名簿を売買すれば100%適法かといえば、必ずしもそうではない。

一般に公にされる筈の無い顧客情報や、それを元に作成されたことが容易にわかるデータなどは、不正に持ち出された可能性が高く、個人情報保護法17条の「不正な手段による取得」に抵触するため売買すると罪に問われるのだが、個人情報保護法施行以降もそのような情報を新たに仕入れ販売する名簿業者が非常に多いためである。

「それは名簿の売り手、名簿業者の問題で、買い手は問題無いのだろう」と思われるかもしれないが、実はそうではない。

不正に取得されたことが容易に分かる名簿を取得することは、例え不正な取得そのものに関わっていないとしても、「不正な手段による取得」と認められ罪に問われるケースが多々あるのだ。その為名簿業者選びには細心の注意を払う必要がある。


名簿業者は近年増殖傾向にあり、中には怪しげな業者、個人情報を保護法を省みない業者も増えている。

名簿業者選びの際チェックする項目は以下の7つだ。

1. 個人情報取り扱い事業者であることを明示している
2. 個人情報の利用目的を明示している。
3. 個人情報の取得方法・管理体制に関し、規定を定め明示している
4. 個人情報の開示、修正、削除、に応じることを明示している
5. 個人情報の第三者提供を求めに応じて停止することを明示している
6. 個人情報の管理責任者を定め、苦情相談窓口を設けている


これらを全て満たす業者は個人情報保護法に適った正当な名簿業者である。

後は名簿の所蔵冊数や販売実績から勘案して、自分に合った名簿業者を選定すれば良い。

苦情相談窓口での対応の方法や、消費者から自身の情報の出所を問われた際、販売元である業者名の公表を許可しているか否か、管理責任者の「氏名」を明らかにしているか否か、個人情報保護を目的とした協会や団体に加盟しているか否かなども、信用に足る業者かを見極める重要な指針となろう。



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